written by KUROSAWA
今回はスポーツカーの素晴らしさを歴史で知っていただき、街乗りや通勤にも使えるスポーツカーだってあるということを広く伝えたいという思いで書きました。
1967年、トヨタ自動車から「トヨタ2000GT」が発表されました。トヨタ2000GTは、当時トヨタ自動車とヤマハ発動機が提携して生み出した国産スポーツカーです。ツードアクーペのハッチバック式、ヘッドライトはリトラクタブルと当時の日本車としては、斬新なスタイルで登場しました。海外での評価も高く、値段も238万円(現在換算約900万円)と高価で、スポーツカーというよりは日本のスーパーカーでした。
その約2年後の1969年に、日産自動車が、フェアレディZを発表しました。このフェアレディZ、北米でも爆発的な人気を得ており、スポーツカーという自動車が、日本国内で確固たる地位を築くこととなります。また、1968年に発表された日産スカイラインGT-R。カーレースで国産スポーツセダンがポルシェを抜いたということで、国民を熱狂させました。しかし、1972年に発表されたスカイラインGT-Rは、新排ガス規制によりわずか4ヶ月で製造中止に・・・。
それから17年・・・1989年、R32型スカイラインでGT-Rが復活しました。これが第2世代となるスポーツカーブームの本当の幕開けとなります。この時代は本当にスポーツカーが豊富で、トヨタ スープラ、マツダ RX-7、日産 シルビア、三菱 GTOなど、各社が販売していたスポーツカーにも拍車がかかります。中古車市場も目につくのはスポーツカーと、スポーツカー最強の時代になりました。
そして1990年に登場したのが、ホンダ NSXです。NSXは、完全に国産のスーパーカーとして誕生しました。3.0リットルミッドシップでアルミボディによる軽量化を図り、他のスポーツカーとは一線を画していました。あのF-1レーサーの故アイルトン・セナ氏が認めた車だったそうです。
軽乗用車においても、ダイハツ コペン、スズキ カプチーノ、ホンダ ビートとスポーツタイプの車が次々と発表・販売され、軽乗用車から普通乗用車まで多くのスポーツカーが日本から発信されていくこととなります。
それから約20年・・・。時代は日産R35型GT-Rを筆頭に、第3世代(現在)のスポーツカー時代へと突入していくことになります。
スポーツカーも第3世代に突入し、各メーカーがスポーツカーを復活させてきました。現在、販売されているスポーツカーは、次の通りになります。
日産のGT-Rは本格スポーツで、3.8?ツインターボ、燃費も8km/リットルとガソリンが高騰している現在では、少し厳しい数字になります。また、ミッション設定はATしかありませんがギアなどの機械音が室内にまで聞こえるということなので、割り切らないと街乗りには不向きな車になります。しかし、運動性能は国産最強で、海外のスーパーカーにも引けを取らないレベルのスポーツカーとなっています。
フェアレディZは3.7リットルと大排気量ですがNAエンジンなので、燃費は7~9km/リットルといったところでしょう。MT とATの設定がありますが、街中での渋滞はMTだとクラッチも重く、渋滞時にはきついものになってしまいます。しかも乗車定員2名。このフェアレディZ、本格的スポーツ志向が強い人に向いているスポーツカーとなりますが、注目度は高いものがありスポーツ走行性能はかなり高いものになっています。
三菱のランサーエボリューションとスバルのレボーグ、WRX、インプレッサは、ラリー感が強く前面に出ているので、街乗りに不向きではありませんが、なんとなく似合わない感じがしてしまいます。ただし、4WDなので、雪道にはめっぽう強い上に、スポーツカーでありながらドアが4枚なので乗り降りは非常に楽です。山道、雪道にこれほどしっくりくるスポーツカーというのもいいですね。
マツダのユーノスロードスターは、ボディサイズがコンパクトで街乗りには向いていると思います。このサイズで2シーターオープン、価格もお手頃ときました。しかし2シーターでオープン、乗車定員2名というのが非常にかっこいいのですが、実用的に難点でもあります。ダイハツ コペンとホンダ S660も軽乗用車で同じタイプになります。この2車種、軽乗用車なので取りまわしが非常によく、混雑している街の中でも楽々運転できてしまいます。でも、やっぱり乗車定員2名。1人で出かけるには最高の相棒になることでしょう。
ということで、一番のおすすめは「トヨタ86」と「スバルBRZ」になります。なぜ2台かというと、この2台、トヨタとスバルの共同開発車なので、スペックも外観もほとんど同じです。ミッション設定もMTとATがありますが、MTのクラッチもフェアレディZほど重くはありません。しかもクーペタイプなのに後部座席もあり、乗車定員が4名となっています。2.0?なので燃費も12km/?以上と悪くない数字を出しており、3ナンバーですが排気量は5ナンバークラスですから、車の取り回しも悪くありません。
この車なら友達と街をドライブすることも、彼女と出かけることも、ひとりで出かけることも苦もなくこなせる一台だと思いますので、街乗り一押しスポーツカーとさせていただきます。
車での通勤を考えると、気になるのはやはり燃費です。ガソリン代が高い今の世の中、燃費の悪い車に乗っていると、日に日に財布の中が寂しくなっていきます。通勤手当が出る場合にしろ、使った分全額ではないのでガソリン代は生活を厳しくしてしまう恐れがあります。となると、日産GT-RやフェアレディZは本格スポーツなので除外されてしまいます。三菱ランサーエボリューション、スバルWRXなど普通乗用車の類も燃費という意味では除外されてしまいます。
しかし、スバル インプレッサにはハイブリットの設定があり燃費にはやさしいのですが、ボディサイズは普通乗用車サイズになります。GT-RやフェアレディZも含め、普通乗用車のサイズは狭い道が苦手です。「時間がない、裏道!」なんていうときに、すれちがいができず、逆に時間がかかってしまったなんていうことも想定できます。
そこで、ホンダS660とダイハツ コペン。この2車種、軽乗用車でありながら2シーターオープンのスポーツカーです。燃費はS660が21km/リットル、コペンが22km/リットルとかなり燃費がいいです。そして急いでいるときの裏道狭い道も、軽乗用車なのでスムーズにすれちがいができるでしょう。軽乗用車でありながらスポーツ運動性能も高く、スポーツ走行もじゅうぶんに楽しめます。
ということで、燃費もよく狭い裏道も苦にならず、通勤にもつかえるスポーツカーとして、「ホンダ S660」「ダイハツ コペン」の2台を一押ししますので、あとはお好みで選んでいただきたいと思います。
ここまで「街乗り」「通勤」と、場面を想定してスポーツカーを紹介してきましたが、すべてをトータルしたお勧めの一台を決定したいと思います。
日産GT-Rは車両本体価格が900万円超でなかなか手が出せる金額ではありません。税金も3.8リットルということで66,500円と高額です。フェアレディZもニスモで600万円超、ノーマルでも400万円、しかも2シーター。税金もやはり66,500円となり、維持費面では高額になります。ランサーエボリューションとレボーグは、どうしてもラリー感が強く出てしまい、ユーノスロードスターと軽乗用車のS660、コペンは2シーターで実用性を考えてしまうとなかなか手を出しにくい面もあります。
「街乗り」「通勤」「維持費」すべてにおいて及第点がとれ、乗車定員も4名で本格スポーツを目指すことも可能な、「トヨタ86」「スバルBRZ」を、おすすめの車種に決定させていただきます。チューニングパーツも数多く揃っており、サーキットへ転向なんていうことも可能です。ボディタイプもスポーツクーペで高速安定性も非常に高い車であり、十分に満足させてくれる一台になることでしょう。
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