written by TANOUE
和風かつモダンな坪庭のある家っておしゃれですよね。小さな坪庭でも家族はもちろん来訪者の気持ちをも和ませてくれる坪庭には家の価値を高めてくれる不思議な力があります。
でもそんな小さな坪庭でもデザインから工事まですべてを業者に任せてしまうと結構費用が大きくなるものです。また業者によってはお付き合いのあるメーカーの既製品を設置しておしまいという業者もあり、それでは世界にひとつだけのこだわりの坪庭はできません。
ここでは、あなたのこだわりの坪庭を実現するために、DIYで自作して少しでも費用を安く抑えつつおしゃれでかっこいい和風モダンな坪庭を手作りするための具体的な作り方について教えちゃいます。
DIYで自作する前に、坪庭をどこに作るのか場所を決めましょう。基本的には自宅敷地の中の未活用スペースが候補地となる場合が多く、どこに作るのかすでに決まっているという人も多いかもしれません。
でもはじめにもお話ししましたとおり、坪庭には住んでいる人の満足感を高めてくれるだけでなく、訪れるお客様の気持ちを和ませてくれるリラックス効果もあるため、坪庭をどこに作るかが実はとても重要なDIYのコツにもなります。
場所を決めるにあたっては、居住者としての視点だけでなく、一度自分がお客様の立場になってみて考えてみましょう。わかりづらい場合は、自分の家を「モデルハウス」だと思って、訪れてみましょう。その新鮮さが今まで気づかなかったものに気付かせてくれるかもしれません。
場所が決まったら、終わりではありません。次は坪庭が見られる視線の方向(角度)を把握しておきましょう。
坪庭を自作したい場所のひとつにお風呂の窓から見える位置があります。お風呂につかりながら窓の外の坪庭を眺めることができれば、いつものお風呂場が露天風呂にもなりますので、坪庭DIYの人気場所ですね。ぜひ皆さんにも風呂用坪庭の自作にチャレンジしてほしいと思います。
でもお風呂の横に作ればいいというわけではありません。お風呂の浴槽の高さや窓の位置、自宅敷地の外からの視線、来客者の視線などすべてを事前にしっかり把握しておきましょう。特に浴槽と窓と坪庭の高さの関係を考えることは重要な手作りのコツになります。浴槽から見える坪庭にしたいのであれば、必ず浴槽に座った状態で坪庭が見える方向と角度を調べておいてください。
お風呂と並んで人気な場所がアプローチから見える和風モダンな坪庭ですね。住んでいる自分だけでなく、訪れてくれるお客様にとっても目を楽しませてくれる素敵な坪庭になります。
アプローチから見える坪庭を自作する場合、アプローチから坪庭までの距離やアプローチのどの位置から坪庭が見えるように作りたいのかを事前に決めてからDIYに入りましょう。
どこにないといけないという決まり事はありませんが、私がおすすめする坪庭は、インターホンの近くや玄関ドアの近くなど、アプローチでありつつもお客様が一度足をとめる場所がおすすめです。
人は玄関ドアが開くまでドアをじっと見つめているわけではありません。必ず周りをきょろきょろとみてしまうものです。そんなところに小さくともおしゃれな和風モダンな坪庭があれば、待っている時間も有意義なものになりますし、季節を感じさせてくれる坪庭は会話のきっかけにもなり得ます。
アプローチから眺める坪庭を自作する場合は、視線の高さに気を付けましょう。お風呂から眺める場合とは逆に、アプローチから眺める場合は基本的に立った状態で見ることになりますので、上から下への角度になります。そういった角度もあらかじめ把握しておいてください。
場所と見る方向(角度)が決まったら、次は坪庭を自分でデザインしてみましょう。デザインとは言ってもそんなに難しく考える必要はありません。
坪庭のスペースを1メートル:1センチの縮尺で紙に書いてみてください。坪庭の外枠が出来上がったら、何枚かコピーしておきましょう。お気に入りのデザインがいくつかできあがったときに横に並べて比べてみるときにコピーがあると便利です。
坪庭の外枠に対し、眺める視線の方向や角度を矢印で書き込みます。坪庭の正面は一つとは限りません。お風呂からもアプローチからも見える坪庭なら正面は2つになります。3つという場合もあるでしょう。この正面の意識は大事にしてほしいと思います。
DIYで坪庭を自作するときの代表的な構成要素は以上になります。もちろんこの他にいろいろなものを追加してもいいですし、もっとシンプルに要素を減らしても構いません。
坪庭の外枠に平面的に要素を書き込んでみましょう。色鉛筆などでカラーで仕上げるとよりイメージがわきやすく、上手にデザインするコツにもなります。書き込んだ矢印の視線を意識しながらいろいろなパターンでデザインしてみましょう。
坪庭は立体的でなければなりません。小さいからと言ってフラットにデザインしてはいけません。苔山や巨石などの高さのあるものを上手につかってデザインしてみましょう。コツは視線に対してその奥に高いものを配置することです。そうすることで空間に味が生まれてきます。
ある程度坪庭のグランドレベルのイメージができたら植栽も入れ込みましょう。植栽は坪庭に季節を生み出す重要なものです。高さもあるため、お風呂やアプローチなど高さの異なる場合でもすべての視線を生かせる不可欠な要素です。植栽を選ぶ際には
などに注意して選ぶと後で後悔しません。ただ見た目がいいだけで選んでしまうと、管理が大変だったり、虫害にやられてしまったり、最悪の場合伐採せざるをえない状況に陥ることも少なくありません。
DIYする坪庭の位置や環境の特性をしっかり考えて、長く楽しめる樹木を選びましょう。
庭をつくると考えると自分では無理と思い込みがちですが、坪庭くらいの大きさであればまったくの未経験の初心者でも十分にDIYが可能です。その際大事なことは決して焦らないことです。
作り始めると早く完成させたい気持ちが強く、あれもこれもと急いで作業しがちなもの。でもよく考えてください、どんなに時間をかけてつくっても、完成した坪庭を見て楽しむ時間の方が絶対に長いはずです。ですので焦らずにDIYで自作すること自体をしっかり楽しみながら作ることがよい坪庭づくりのコツです。
まずは下準備。坪庭となるスペースを除草したり、必要ないものを撤去するなど、まずはきれいに整地しましょう。地味な作業ですが、とっても大事な作業です。
整地しながら、地面がどんな状態なのか手で触れて確かめます。日当たりが悪く湿気の多い場所とか、逆に日当たりが良すぎて乾燥している場所など、同じ坪庭でもその環境特性が一つとして同じものはありません。
整地はこういうことを改めて考えてみるいいきっかけとなりますので、焦らずゆっくり整地からはじめましょう。
坪庭はフラットではいけません。高低差があってはじめて坪庭の味がでてきます。そのために土で高低差をつけていきましょう。必要ないところから土を削って山をつくりたいところに盛土していきましょう。土が不足する場合は購入してでもデザインした山の土台をつくってください。
また高低差をつくる場合は、雨水の流出経路にも気を配ってください。排水性が悪い土地で逃げ道のないくぼみをつくってしまうと常に水が溜まった状態になり、土が腐ってしまいます。極端な乾燥を嫌う坪庭であっても、常に水を含んでいれば樹木も根腐れをおこしてしまいます。
排水性のいい悪いや、坪庭からその外に水が抜けることができるかを考えながら盛土していきましょう。また水の抜け道がある場合には、逆に降った雨と一緒に土や石などが流出してしまわないように高さを調整しましょう。
樹木は最後のイメージがありますが、樹木は早い方がおすすめです。というより先に必要な樹木を植えておかないと手戻りが生じて後悔します。苔山やタマツゲ、玉石などを入れた後に植樹すると、掘削するときに石や苔がなくなってしまいます。
ですので、地盤ができたらまずは植樹を先にしておきましょう。植樹をしたらたっぷり水をあげて必要に応じて土も補充しておきましょう。
あとはデザインをもとにして、必要な材料を現場に入れ込んでいきましょう。必要な材料は皆さんの坪庭デザインに応じてさまざまですので、デザインをもとに必要なものをリストアップしておきましょう。
坪庭づくりに必要なものは、大型のホームセンターでもほとんどが手に入ります。玉石などは必要な面積に必要な厚さ(5㎝はほしいですね)を掛けて必要量を算出しておきましょう。
玉石を敷き詰める前に、除草シートなどを敷いておくと後のメンテナンスが楽になりますので費用に余裕のある場合はトライしてみましょう。小さな坪庭でも雑草が生い茂っていると見た目の美しさも半減してしまいます。コツコツ草取りできる人は特別防草シートも必要ありませんが、草取りできそうにない場合は検討してみましょう。
苔やタマツゲ(リュウノヒゲ)などを植え込む際は、植物が乾燥しないように植える前にも植えた後にもたっぷりと水をかけてあげましょう。タマツゲは根付くとある程度の乾燥にも耐えられますが、苔は乾燥を嫌うものが多いですので、特に植樹直後はしばらく水やりを欠かさないようにしましょう。
また日陰を好む植物を植える場合は、大きめの石などで日陰を作り出してあげるという作り方もおすすめです。石が生み出す日陰にも坪庭ならではの味わいが生まれますので、おすすめです。ただし巨石はホームセンターでは意外と高値で売られていますので、近くの建設会社などに安くで譲ってもらうのも費用を下げるコツです。
玉石を敷きならす前に、飛び石を設置するひとは先に飛び石をバランスよく置いておきましょう。飛び石を置いた残りのスペースに玉石を敷き詰めると楽にDIY作業をすすめられます。
坪庭用の照明を設置したい場合には、ソーラータイプのガーデンライトが設置工事資格が必要ないためおすすめです。和風タイプのソーラー照明も多くあるため雰囲気にあったものを選びましょう。
以上、和風モダンな坪庭の作り方になります。思っていたより簡単にDIYで自作できることがおわかりいただけたと思いますので、ぜひ皆さんにも手作り坪庭に挑戦していただきたいと思います。
最後に少し坪庭のメンテナンスについてお話しします。坪庭はお風呂やアプローチなど視線を意識したところにつくるものですので、それをきれいに保つことも大事になります。
などがあります。どれもさほど難しいことはありませんし、坪庭は面積も小さいため草取りもそこまで苦にはなりません。
ですが、坪庭は生き物です。手を加えてあげなければきれいな状態を保つことはできません。これをきっかけに坪庭をつくられる皆さんにはずっとずっと長く坪庭を楽しんでいただきたいと思いますので、日常のメンテナンスもDIYの楽しみのひとつだと考えていただいて世界にひとつだけのこだわりの坪庭を大事にしていただきたいと思います。
Copyright © ALL3. All rights Reserved.